今回の書籍紹介は、三宅香帆さん著『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』をご紹介します。
そんなあなたのために、この記事ではこの本の大まかな内容と、どんな人におすすめなのかをざっくりと分かりやすく紹介します。

この記事はあくまでも「紹介」であり、「感想・書評」ではありません。
皆さんの本選びの参考にしていただくのが目的なので、クリティカルなネタバレはしないようにしています。
どんな本?

このタイトル、とても目を引きますよね!
まるで自分のことを言われているようです。。。
書店の新書コーナーで平積みにされていたり、売り上げランキング上位に入っていたりする話題の本です。
昔は本を読んでいたのに、最近は読めてないなあ。と思っている人がたくさんいるのかも知れませんね。
ちなみに、2024年の第2回「書店員が選ぶノンフィクション大賞」を受賞されています。
書籍情報
- なぜ働いていると本が読めなくなるのか/三宅香帆
- 集英社新書
- 2024年4月22日 第一刷発行
- 1000円+税
ちなみに厚みはこんな感じ。(iPhone15との比較です)

筆者の三宅さんにとって、読書は人生に不可欠な「文化」でした。
就職してからほとんど本を読む時間がなくなってしまった筆者は、本を読みたすぎるあまり退職します。
いや、そもそも本も読めない働き方が普通とされている社会っておかしくない!?
どうすれば労働と読書が両立する社会をつくることができるのか?
本書は日本人の「労働」と「読書」の歴史を振り返ることで、その問いの答えに迫っていきます。
そう。本書は「読書論」のみならず、「日本人の働き方」をテーマにした本でもあるのです。
5つ星総合評価
- 読みやすさ ☆☆☆☆
- 面白さ ☆☆☆☆
- ためになる ☆☆☆☆
- 話題性 ☆☆☆☆☆
- 名著度 ☆☆☆☆
※しばとしょの個人的な感想です。
文体が平易で読み進めやすく、まえがきと序章の問題提示部分は非常に共感性の高いものなので入っていきやすいです。
その後、明治から現代までの日本人の読書の歴史がかなりのページ数で語られるのですが、引用が多く少し冗長な感じを受けました。しかし!
この部分そが、筆者の主張にたどり着く根拠となる部分です!
筆者は、本書の最後に問いに対する明確な答えと具体的なアクションプランまでを用意してくださっています。
一冊を通してとても美しい論の構成になっていますので、ぜひ読み通していただきたい。
安心して手に取っていただける、おすすめの1冊です。
どんなことを学べる?
日本人の働き方と読書の役割がわかる
すでに述べたとおり、本書は「働き方」を問う本です。
時代ごと世の中の状況が異なる中で、人々は労働に何を求めていたのか。
そして時代ごとの読書とは、人々に何をもたらすものだったのか。
現代の感覚とは大きく異なる「労働と読書の関係」がとても興味深いものでした。
大正、昭和、平成を生きてきた読者には、それぞれの時代感が思い出され、納得しながら読めると思います。
あの名著が社会に与えた役割について学べる
本書では、労働と読書の歴史を追っていく中で、たくさんの名著が登場します。
- 『痴人の愛』谷崎潤一郎
- 『坂の上の雲』司馬遼太郎
- 『サラダ記念日』俵万智
- 『ノルウェイの森』村上春樹
- 『そういうふうにできている』さくらももこ
- 『脳内革命』春山茂雄
- 『13歳のハローワーク』村上龍
- 『推し、燃ゆ』宇佐美りん
これらはほんの一例ですが、どれも有名なものばかり。
読書好きなら一つは読んだことがあるのではないでしょうか?
これらの名著は、それぞれの時代の中でどんな役割を担ってきたのか。
これらの名著から、時代のどんな様子が読み取れるのか。
読書が人生における「文化」だと語る筆者ならではの考察が、非常におもしろいです。
読書はノイズである
筆者が導き出す目から鱗の結論の一つ。
読書はノイズである。
読書好きに取っては耳を疑うようなパワーワードです。
安心してください。これは本書の重要なキーワードではありますが、ネタバレではありません。
一体どういうことでしょうか?
そして「読書と労働が両立する社会」を作るための筆者の答え
「〇〇社会」とは?
ここから先は、ぜひ実際に読んで確かめてみてください。
こんな人におすすめ
- 読書が好きな人
- 仕事と趣味の両立が難しいと感じている人
- 名著が社会に与えた役割について知りたい人
- 今の働き方や社会のあり方に疑問を感じている人
まとめ
今回は集英社新書から三宅香帆さん著『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』をご紹介しました。
読み終えてみると、うんうんと共感できることがとても多い内容でした。
読書好きにも、読書から離れてしまった人にも、皆さんにおすすめできる本です。
話題性もあるので、気になっている方はぜひ手に取ってみてください。

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