今回の書籍紹介は林成之さん著『脳に悪い7つの習慣』をご紹介します。
何気なくやっていたことが脳に悪い影響を与えていたなんて。。。
脳に悪い習慣をやめて、自分の能力を開花させましょう!
そんなあなたのために、この記事ではこの本の大まかな内容と、どんな人におすすめなのかをざっくりと分かりやすく紹介します。

この記事はあくまでも「紹介」であり、「感想・書評」ではありません。
皆さんの本選びの参考にしていただくのが目的なので、クリティカルなネタバレはしないようにしています。
こんな人におすすめ

脳科学に基づいた具体的なアドバイスが多いので、科学的な根拠がある方法を知りたい人にもおすすめです!
どんな本?

著者は、日本大学名誉教授の林成之(はやしなりゆき)さん。脳神経外科を専門とされ、危篤患者に対する救命療法である脳低温療法を開発するという業績を上げられています。この脳低温療法は、そのままでは脳死に至っていた患者さんの命を救うことができる素晴らしい治療法だそうです。
また、スポーツの分野でも多くのアスリートに「勝つための脳の使い方」をアドバイスされており、その中には競泳の北島康介選手など、世界の舞台で結果を残されている選手も数多くいらっしゃいます。
そんな脳のスペシャリストである林さんは、脳についての啓発本も出版されています。そのうちの一つが今回ご紹介する『脳に悪い7つの習慣』です。
私たちがついついやってしまっている脳に悪い習慣を7つ紹介しています。科学的な根拠をもとに解説されているので、とても説得力のある内容となっています。
書籍情報
- 脳に悪い7つの習慣 / 林成之
- 幻冬舎新書
- 2009年9月30日 初版発行
- 740円+税
- 182ページ
ちなみに厚みはこんな感じ。(iPhone15との比較です)

脳は気持ちのもち方や行動次第で、
その働きをよくも悪くもできるのです。
私たちは普段の生活の中で、無意識のうちに「脳に悪い習慣」を続けていることがあります。
本書『脳に悪い7つの習慣』では、以下のような脳の働きを低下させる7つの習慣を紹介しています。
- 「興味がない」と物事を避けることが多い
- 「嫌だ」「疲れた」とグチを言う
- 言われたことをコツコツやる
- 常に効率を考えている
- やりたくないのに、我慢して勉強する
- スポーツや絵などの趣味がない
- めったに人をほめない
どうでしょう?全部当てはまっている、と思った人も少なくないのではないでしょうか?
「③や④ってダメなことなの?!」と思われた方もいるかもしれません。実は、脳のしくみ的には、これらもよくない習慣なのです。
これらのように、良かれと思ってやっていたことも、実は脳にとってよくないことだったりするのです。本書では、この7つの悪い習慣についてそれぞれ、どうしてそれが良くないのかを脳科学的な根拠をもとに解説しています。
また、この本は脳が考え、記憶し、それを活用するしくみにもとづき、脳の力を引き出すのに適した順番になるように構成してあります。つまり、上記の習慣をこの順番にやめていくことで、脳のパフォーマンスを最高に高めることが可能となるのです。
もちろん各章には、脳に悪い習慣を改善するための具体的な方法も解説しています。
シンプルで実践しやすいアドバイスが多く、日常生活の中ですぐに取り入れられるのが特徴です。
5つ星総合評価
- 読みやすさ ☆☆☆☆
- 面白さ ☆☆☆
- ためになる ☆☆☆☆☆
- 話題性 ☆☆☆
- おすすめ度 ☆☆☆☆
※しばとしょの個人的な感想です。
脳神経外科の名誉教授の著書と聞くと、いかにも学術論文的な難しそうな文章を想像してしまいますが、そんなことはありません。とても平易な文章で医学の知識のない人にも理解しやすいです。
前書きに書かれている脳のつくりや役割の解説部分が少し専門的ではありますが、その後は難しい内容は一切ありませんでした。
読み進めていくと「えー!これもダメなんだ!」と声が出るほど、自分の悪い習慣にたくさん気づくことができました。
脳にとってよくない習慣を改めることで、自分の力をフルに発揮したり、他人とのより良い関係を築いたりすることができる学びの多い本です。

知らなきゃ損という内容が盛りだくさんです。
43万部突破は伊達じゃありませんね。
どんなことを学べる?
脳のしくみと本能から、習慣の良し悪しがわかる

本書の冒頭では、脳の構造と情報伝達の経路、それぞれの部位が担っている役割を図解によって紹介しています。この部分は専門用語も多いので、ぶっちゃけ「ふーん」くらいの理解で良いです。
重要なのは、脳が持つ基本的な本能です。
- 「生きたい」
- 「知りたい」
- 「仲間になりたい」
これらは、脳が=私たちが、潜在的に持っている欲求なのです。
だから、「興味がない」「そんなことは知っている」と無関心になり、物事を避けて生きているというのは、脳の本能に反していることになり、パフォーマンスが上がりません。興味をもって前向きな姿勢で物事に取り組むことで、脳のパフォーマンスが上がり、記憶力の向上や良いアイデアを生み出すことにつながるのです。
このように、脳の仕組みや本能を知ることで、なぜその行動が良くないのかという根拠をしっかりと理解することができるのです。それによって、「この習慣は脳にとって良い(悪い)習慣だな」と自分の習慣の良し悪しを判断をすることができます。
さらに、脳がもっている2つのクセも紹介されており、これが本書の内容と大きく関わってきます。この部分はぜひ読んで確認してみてください。
自分の習慣を見直し、改善に繋げられる

この本を読んで、私はとても衝撃を受けました。脳によくないとされている行動や考え方をたくさんしていることに気づいたからです。
私は小学校で教員をしていますが、どちらかというとあまり子供をほめない方だと自分では思っています。もちろん本当に良い行動はほめますが、むやみやたらにはほめないという意味です。それは自分の経験則によるもので、たまにほめられる方が子供にとって喜びや特別感が大きくなるのでそうしています。
ところが、それは脳にとってあまりこの好ましくない行動のようです。(自分の脳にとってということで、もちろん教育効果とは別の話です。)
また、姿勢もいいとは言えません。
こういった細かなよくない習慣もたくさん紹介されているので、読んでみると自分に当てはまってしまうものが必ずあるはずです。
自分が知らず知らずのうちにしている脳にとって悪い習慣に気づくことで、それらを改善するきっかけを得ることができます。自分の行動や習慣を振り返って、脳を若々しく保ちたいものですね。
まとめ

今回は幻冬舎新書から林成之さん著『脳に悪い7つの習慣』をご紹介しました。
せっかくなら、脳の持てるパワーをフルに活用して、仕事や勉強の効率を上げたいですよね。
脳科学の視点から自分の習慣を見直し、より充実した人生を送っていきましょう。
コメント