今回の書籍紹介は、近藤二郎さん著『ものの始まり50話——文明の源をさぐる』をご紹介します。
そんなあなたのために、この記事ではこの本の大まかな内容と、どんな人におすすめなのかをざっくりと分かりやすく紹介します。

この記事はあくまでも「紹介」であり、「感想・書評」ではありません。
皆さんの本選びの参考にしていただくのが目的なので、クリティカルなネタバレはしないようにしています。
こんな人におすすめ
- 古代の世界史に興味がある人
- 身近なもののルーツが知りたい人
- スキマ時間にサクッと読書がしたい人
- 本を読む時間のない人
どんな本?

著者の近藤二郎さんは、考古学者で早稲田大学名誉教授を務められています。
長年にわたり考古学を研究してきた著者が、私たちの身近にあるもののルーツや歴史をわかりやすく紐解いてくれる本となっています。
取り上げられているものは、パンやチーズ、ビールなどの食べ物から、トイレ、ガラス、ものさしなどの日用品。
さらには学校や裁判、マンガに至るまで、非常に幅広い物事の歴史が紹介されています。
これってこんなに昔から使われていたの!?
昔はこんな形だったんだ!など
驚きとともに、知ることの楽しさを教えてくれる一冊です。

もともとは少し古い本ですが、以前X(Twitter)で話題になったのをきっかけに2024年に復刊しました。
書籍情報
- ものの始まり50話 / 近藤二郎
- 岩波ジュニア新書
- 1992年5月20日 初版発行
- 940円+税
- 208ページ
ちなみに厚みはこんな感じ。(iPhone15との比較です)

5つ星総合評価
- 読みやすさ ☆☆☆☆☆
- 面白さ ☆☆☆
- ためになる ☆☆☆☆
- 話題性 ☆☆☆☆
- おすすめ度 ☆☆☆☆☆
※しばとしょの個人的な感想です。
本書は50のさまざまな物事の歴史が紹介されています。
先に挙げたように、取り上げられている物事は、現代でも本当に身近なものばかり。
自分の気になるテーマを目次から探して、そこだけつまみ読みすることができます。
しかも、それぞれのテーマについて、たったの4ページで解説しているので、スキマ時間にサクッと読書するにはもってこいです。
岩波ジュニア新書ということで、とても読みやすく、学生さんにもおすすめできます。
ものの歴史を手軽に学べ、ちょっとした知識が身につく、本当におすすめの一冊です。
どんなことを学べる?
身近なものの歴史がわかる
本書では、身近な50の物事の歴史が紹介されています。
このブログのテーマでもある図書館についても紹介されていました。
古代にも粘土板文書(タブレット)を保管する図書館の原型があったと言います。
古代でも最大級の図書館は、エジプトのアレクサンドリアに建てられた大図書館です。
一説によると、その蔵書はギリシア語文献を中心に、約50万点ともいわれているそうです。
昔の人々も、文字や文書から学んだり、記録を残したりと、知的活動をしていたのですね。
古代文明の人々の生活の様子がわかる
例えば「ビール」の項では、その歴史とともに、紀元前1500年ごろに記されたとされる「アニの教訓」という文章の一節が紹介されています。
「有害な、まるで悪魔がしゃべるような言葉を口にしたり、自分がしゃべっていることがわからなくなったりしないように、ビールを飲みすぎてはならない」
「もし、おまえが飲み過ぎたことにより、倒れてけがをしても、だれもおまえに手を貸すものなどいない。(中略)おまえを探し、話をしに彼らが戻って来ると、おまえがまるで小さな子どものように地面に寝ているのを見つけるであろう」
酒に酔い潰れてしまう様子は、今も昔も変わらないようです。
こういう記録を読んでいると、遠い昔に生きた人々も、私たちと変わらなかったんだなと、なんだか身近に感じてしまいますね。
まとめ

今回は岩波ジュニア新書から近藤二郎さん著『ものの始まり50話』をご紹介しました。
ページをめくるたびに知的好奇心をくすぐられる、読書しているなあと感じられる良書です。
本書のちょっとした雑学が、普段の話のネタにもなりそうです。
若い方にも非常におすすめなので、カバンに忍ばせておいてスキマ読書を楽しんでほしいと思います。
ぜひ読んでみてください!
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